Seven のプロダクションプロセスの改善とリペアフレームのマネージメントについては前回ポストしたが今日は、それらよりさかのぼること2年ほど前に行ったプロダクトの問題にかかわった時の経験である。
その中でステムに生じた問題について少し書いてみる。ステムを溶接する際に仮つけをするとかならずと言っていいほどステムのクランプ(ハンドル側とフォーク側)にねじれが生じていた。溶接する前のアライメントチェックでそれはすでに起こっていた。ヘッドウェルダーのティムはなぜいつもねじれているのか疑問に思っていたようではあったが、他のウェルダーたちは特に気にすることなく溶接をし溶接後にねじれを強制していた。
自分がステム溶接を始めたときにはすでに何年もその状態で行っていたようだった。
そこで、まずステムをザグり加工するための冶具を調べてみようと試みた。
一見するとなんの問題もないようではあったし、実際ベテランマシーニスト(8年目)に聞いてもみたがやはり問題ないという返事がかえってきた。しかし問題の原因はこの機械加工の段階でおこっているとしか考えられなかったので、誰もいない時を見計らってその冶具と加工プロセスを徹底的に分析してみた。
その結果、原因とみられる点が見つかった。以下の写真はそれを含めたその時のレポートの一部である。あまり詳細にすべてのレポートは見せられないのであくまで一部にとどめておく。
ステムに限らず、フレームのほうでも角度があっていなかったり、ねじれた状態でザグり加工されていたり、ギャップが許容値外だったりと問題はあった。これらがいわゆる加工ミスによるものであればさほど問題ではないかもしれないのだが、そうではないため何とかしたいという状況ではあった。 そちらのほうも原因を突き止めるために徹底的に調べてみた。
問題の原因となっていたものの一つにフレーム冶具があった。Seven で使用されているフレーム冶具はすでに10年が経ち、大したメンテナンスなしで酷使され続けていた。各部はすり減って、劣化が激しい状態であった。そういった内容も含め、レポートにまとめて提出した。
その後いくつかは改善され、フレーム冶具もメンテナンスがほどこされた。
Seven でのこういったプロダクションシステム、プロセス改善についてかかわれたこと、それに伴って自分でもある程度研究できたことは、今後の自分のハンドビルドのフレーム製作スタイルを考えるための良い機会となったことは確かであり、また経験させてもらったことに今となっては感謝している。おかげでSeven のプロダクションに関してはほぼ隅々まで知ることもできた。
プロセスインプルーブメントに関するSeven での体験はその何年か後のペイントデパートメントで終了することとなる。それは次回。
つづく。。。
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