KUALIS

KUALIS

November 14, 2014

Builder's life 5


Photo by Jon Henig, 9/2007

Builder's life 5. Start to work at Seven.

しばらく放置していたBuilder's life の話の続きを再開する。すべては自身が体験した事、事実、そして考えた事である。

Level (松田自転車工場)で4年ちょっと仕事をしたのち、海外で自転車つくりをすることを決断し最終的にアメリカ、ボストン郊外にあるSeven でスタート(5/2007)することとなった。
Seven に入って最初のポジションはマシーニスト(機械加工)であった。
ジオメトリーの寸法に従いチューブをカットし、ザグりを行いフレーム冶具にセットして確認しウェルダーに渡す、といった仕事の繰り返しであった。毎回異なったジオメトリー、異なる車種なのでカットもザグりも使用されるチューブの種類も当然一台一台異なった。

以前の自分の仕事が建築設計だったこともあり、図面を見て理解することは問題なく、というよりむしろ他のワーカーよりも理解が速かったと思う。(後にウェルダーになってからも図面は必ずすべてチェックしていた。SEVENに入ってから 離れるまでに見てきた数はざっと5000 台ほどになるだろうか。面白いことに、たとえば最初からウェルダーやフィニッシャーとして働いているワーカーたちは、基本的に自分の仕事に必要な部分以外は気にしない。ましてや1台1台ジオメトリーがどう違うとか、どういったチューブが選択されているなど気にもかけないのが普通だった。アメリカらしい完全縦割り分業スタイルであった。)

もう一つ、Seven に入って一日目からつづけていることがあった。それはTig 溶接の練習である。
一通り自転車つくりの過程を学んでいた自分にとって、溶接がいかに重要で最も品質に影響するプロセスであることをすでに知っていたこともあり、Seven では絶対チタン、スティールともにTig 溶接をマスターしたいという1番の目的があったからである。

朝仕事の前に必ず毎日練習をする。当時、他にも溶接に興味をもったワーカーが何人か居り、たまに気が向いたときに練習していたようであったが、その時の練習していたワーカー達はもれなく全員ウェルダーになるまでには至らなかった。
身になる練習とは、たとえ短い時間であっても毎日欠かさずすること、それが修得の近道であるという考えが自分の中にはあったのでとにかく例外なく毎日続けた。(結局、ウェルダーになるまで1日も練習を欠かしたことはなかった。おかげで、過去Seven で練習を積んだ後にウェルダーになったものの中で、最速でウェルダーになれた。)

Seven では、日本で働いていたときと異なりバイクの制作数が圧倒的に多く(しかもすべてオーダー車)目的をしっかり持って仕事に臨めば様々なことが、集中的にかつ密度の濃い状態で学べることを知った。

つづく。。。


No comments:

Post a Comment