KUALIS

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February 08, 2013

Builder's life 2


Level にて3年目?の時の写真。競輪選手のラグドフレーム(フロントエンド)の仕上げ中。確かS 級の佐藤選手(当時、競輪選手の中でもトップクラスの選手だった。)のフレームだったと思う。特別仕上げ(アップチャージ)でやっていた。(写真奥が私)

Builder's Life 2 (自転車屋の店長?)

入社1日目が訪れた。
さて、一体今日は何をするのだろう、と期待していた。
すると社長の松田さんから、朝開口一番 ”店のほうの店長やってもらうから。” と言われた。
思わず、”ハッ? エッ?”と応えてしまった。。。
Level ではフレームつくりをする工場の隣に一般自転車(主にママチャリ)を扱っている店が隣接していた。詳しく話を聞くと、まず一般自転車の修理を覚え、お客さんについて、売り方について学べということだった。一般自転車には自転車の基本が詰まっているからということだった。

まずは先輩社員のやり方を見学、メモをとりながらパンク修理からタイヤ交換、車輪組み換え、BB のベアリング交換からフォークの修理、差し替えに至るまで2ヶ月ほどかけて一通り覚えた。
それぞれの修理には基本作業時間というのがありその時間以内に出来るようにならなければならなかった。例えばパンク修理なら5分。後輪タイヤ交換20分といった具合である。
(自転車の中には後ろ荷台、カゴあるいは子ども台付き、泥除けといった具合にいろんなものが自転車にくっついているものも多く、最初は1時間くらいかかったこともあったが、最終的にはどんなものでも基本時間以内に収まるようになった)

今となってはこの体験は非常によかったといえる。いわゆる高級自転車というものだけに視点をあて続けるだけでなくこうした一般自転車を扱うことにより、日本のいわゆる一般の人達が考える自転車というものがどういうものでありどういうことなのか、ということがよく理解できるようになった。その上で自分がやっていく事にどう価値をつけていけるかなど考えるための土台となったことは確かである。最終的にはLevel を去るまでに、小さな修理(ベル交換など)を含め約3000台ぐらいは修理した。もうすることはないと思うが。。。

とはいえ、当時の自分には、この一般自転車というものが非常~に嫌いであった(笑)。
なにしろ、フレームつくりを学びたくてLevel に来たわけなのでとにかくフレームつくりに関係する事をやりたかった。 そんなこんなで、自転車修理に慣れてきた頃には、例えば修理をもとめてきたお客さんの自転車を4,5台預かり、フレームつくりの仕事を優先しながら、時間を見つけて1時間程度で集中的に修理を終わらせお客さんに再び渡すといったことをしていた。
どうしてもそのときに修理してほしいというお客さんに対しては仕方が無い(失礼しました)のでその場で、これもまた集中して素早く済ませていた。(早くフレームつくりにもどりたいという気持ちが強かったためです)
あげくの果てには、タイヤ交換を猛スピードで済ませ、”お待たせしました~”と言って(実際はそんなに待たせていないのだが)手渡した際に、あまりのスムーズな手さばきに(笑)お客さんから ”あざやかですね~” と言われる始末だった。。。”ありがとうございます”と応えはするが、特にうれしいわけではなかった(笑)。

肝心のフレームつくりのほうはというと、まず最初の工程であるチューブの線引き(スティールチューブはほとんどが反っているので、その反りのある側にライン(印)を引き、フレームにする際その反りのある側を上か下に向くようにチューブを加工していた。)、ザグリ加工(チューブをフレームの形になるように加工する作業)から覚えていく事となった。

ここからの話は次回へ続く。


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