KUALIS

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November 17, 2014

Builder's life 6




Builder's life 6/ ウェルダーになる。

真面目な(この辺が日本人の得意な点やね。絶対お前らには負けへんで、的な。。。笑)練習の成果もあって、マシーニングをしながら仮つけを始め、ステムの溶接へと順調に進んでいった。
順調に、、、と書いたが失敗もあった。仮つけを始めて間もないころ、カーボン/ チタン混合フレームの仮つけで、シートラグがずれた状態でつけてしまい他のウェルダーが気づかずそのまま溶接してしまった(そのウェルダーに、溶接する前に確認せえよ!と言いたいところだが、もとは自分がずれてつけてしまったので何とも言えない。)とか、ガスの流し忘れでチューブを駄目にしてしまったり。。。とそれなりに失敗はあった。

そしていよいよ、1本目のフレームの溶接を開始!という際、あんなに練習していたはずがなぜか手がブルッた。。。理由は単純で、今目の前にあるのはリアルなフレームで$3500である。このフレームのオーナーになる人がそれだけの大金を払っているわけである。しかも自分がそれを溶接すると考えてしまうと、、、ブルッてしまった。。。
チューブのザグりをしていた時と”責任”という重圧度がまるで違った。
結局その1本のフレーム(ロード)を溶接するのに1日半かかった。その後も1ヶ月くらいはそんな感じでやたら時間がかかった。練習の時ととる姿勢などがまるで異なるのも時間がかかる理由の一つだったが、何よりSeven のウェルダーとしての責任の重圧度がきつかった。
(実際、Seven で最も価値の高いポジションでもある。自分がウェルダーをしていた約7年の間に何人もの溶接経験者がそのポジションを得ようと試験を受けに来たが、新しいウェルダーを迎えることはなかった。辞める半年ほど前には元ご近所さんの某有名ハンドメイドブランドの現役ウェルダーも試験を受けにきていたが、その後再びSeven のウェルダーブースで会うことはなかった。)

そんなこんなで重圧と格闘し、冷や汗流しながらも(笑)Seven の溶接クオリティー基準を何とかクリアしながらひたすらに溶接する日々がしばらくつづいた。

少し溶接に慣れてきたそんなある日、ショッキングな出来事が起こった。あるカスタマーが自分が溶接したフレームを気に入らないと突き返してきたのだった。さすがにショックだったのでヘッドウェルダーのTim に相談し、しばらくフレームの溶接をストップしてステム溶接をしていたほうがよいのではないかと訪ねたのだが、、、彼曰く、”いや、続けるほうがいい、今ストップしてステムに移行することは、それは後退することになる。どんどん前へ進めたほうがいいよ、君は絶対いいウェルダーになれる。”と、想像していた返答と真逆でちょっと面食らったがさらに進める意欲をもらった。
(*このTim とは練習のときから辞めるまでのあいだ本当によく溶接を通して話や相談をしてきた。自分がSeven を離れると話した時は、少し目を潤ませて ”それを聞いて残念で悲しいよ、君が適任だったのに。” と言ってくれた時には自分もすごくうれしかった。)

そんな溶接三昧の日々がとりあえず3年ほど続くことになる。と、そんなある日、マネジャーから新たな仕事を追加されることとなる。

つづく。。。


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